免疫力アップで病気知らずの体に【名ドクターが教えます】

免疫療法の成り立ち

医療器具

免疫療法の変遷を考える

免疫療法とは、体の免疫機能を高めることによって、がんなどを治療する方法です。約40年前に始まりましたが、当初の方法は、全身の免疫機能を非特異的に亢進させる方法でした。例えば、丸山ワクチンなどの免疫賦活剤を投与したり、活性化した免疫細胞を投与するLAK療法などがあります。LAK療法では、患者のリンパ球を採取し、サイトカインの一種であるインターロイキン2と培養し、がんに対する殺傷能力を高めて再び患者に投与する方法で、細胞免疫療法とも呼ばれています。しかし、副作用が見られたことと、がんだけに集中しないので効率が悪いため、普及はしませんでした。最新の免疫療法では、全身の免疫機能ではなく、標的のがんに対する免疫機能を特異的に活性化させる治療法が検証中です。

今後の動向を考える

免疫療法は、患者の免疫機能を高め、がんなどの病気を治療する方法ですが、いかに効率的に、病気に対する免疫機能だけを高めるかが焦点となっています。この動向は、今後も続くと予測されます。特異的免疫療法の一例としては、ペプチドワクチン療法が挙げられます。がん抗原の一部であるペプチドをワクチンとして投与することによって、体内の免疫細胞は、それを標的として攻撃する能力が高まります。がんに対する特異的な免疫機能だけが高まるのです。また、免疫細胞の一つであるリンパ球を活性化する樹状細胞を患者から採取し、培養し、活性化させてから投与する方法もあり、細胞免疫療法の一つとなっています。また、患者のリンパ球に、がんに対する攻撃性を向上する遺伝子を導入し、再び患者に投与する遺伝治療方法も研究中です。